岩手には「北の文学」という文芸誌がある。
新聞社の岩手日報社が年2回作品を募集し、優秀作1編と入選数編を選ぶのだ。
小説『ボギー』は93年5月発行の第26号で優秀作に選ばれた。
その時の選考委員は須知徳平先生、故・三好京三先生、故・光瀬龍先生だった。
“ボギー”とは、ニューヨークの路上で老人と一緒に芸をする犬の名前。
画家を目指す日本人と、老人と犬との交流が描かれたこの作品が、
作家・平谷美樹の本当の「デビュー作」になる。
なお、この『ボギー』は「北の文学」再刊30号を記念した
『いわて短編小説名作集』(岩手日報社・刊 95年発行)にも収録されているが、
現在品切れ中だそうだ。
〈文・管理人M〉