フライフィッシング小説の連作短編集です。
フライフィッシングとは、毛鉤を使う釣りです。
主に川や湖など淡水魚を狙うものですが、
最近では海のフライも人気のようです。
釣りに興味の無い方でもブラッド・ピットの出た
「リバーランズスルーイット」という映画はご存じなのでは?
あのフライ・シーンの美しさは絶品であります。
フライをする人間は結構、ツッコミを入れたくなるシーンもありますが(笑)
「歌詠川」は架空の川です。
しかし、モデルは存在します。
「歌詠川Ⅱ」を連載していた時に、釣り人社に、
『歌詠川はどこにあるんですか?』
という問い合わせがあったそうです。
それで慌てて次の号から架空の川であるという但し書きが添えられました。
「歌詠川」物語は、フライをなさらない方もけっこう読んでいらっしゃるようで、
『フライを知らなくても楽しく読めた』という声も聞こえています。
泣ける話がお好きな方は是非とも読んでいただきたい(笑)
ぼくの小説にしては泣かせどころ満載で、最後の話などは、
ぼく自身、書きながら、そして読み返しながら泣きました。ホント。
本書には悪人は出てきません。ムカツク奴は出てきますが、ほんとはいい奴なんです。
実際の川釣りは環境問題を含め暗澹たる思いをする方が多く、きわめて世知辛い。
せめて小説の中には楽園を描きたい。
そういう思いで執筆しました。
そうそう。
まだ本になっていませんが、「虹鱒亭奇譚」という連載もしていました。
無茶苦茶怖い川の怪談を連載していたんですが、
「怖すぎる」ということで人気が出なかった模様(笑)
本にしたいんですけどねぇ。釣り関係の小説はあまり売れないので本にしてくれる所はないだろうなぁ。
ムッチャ怖いのでもったいないんですが。
次回はフライフィッシング小説つながりで
「歌詠川物語Ⅱ」 釣り人社刊
にします。