ぼくのデビュー作です。
色々酷評されましたが(笑)
思い出深い作品です。
脱稿の数年前に何百枚か書いてそのまま放って置いたものでした。
その頃は時々、作品を光瀬龍氏に読んでいただいていました。
「エンデュミオン・エンデュミオン」の構想をお話しし、読んでいただく約束をとりつけていました。
しかし――1999年7月7日。光瀬氏は帰らぬ人になってしまいました。
ショックでした。生まれて初めて「慚愧」という言葉の意味を知った気がしました。
その日から、一心に書き続け、脱稿し――。
角川春樹小説賞に応募しました。
最終選考に残り、賞は逃しましたが、本にしましょうということになり――。
2000年の6月に書店に並びました。
ちょうど発売の日、たまたま盛岡にいらしていた堀晃氏が拙著を手に取り、
樹事務所からぼくの電話番号を聞き、連絡をしてくださいました。
「今、盛岡にきているのだけれど、来られますか?」
もちろん「すぐ行きます」と答えて車に飛び乗り、高速で盛岡へ。
大学時代、氏のハードSFに舌を巻き、2週連続の講演会に出かけたりもしていました。
深夜近くまでお話をして自宅に戻りました――。
そのほかにも色々と想い出のある作品です。
神話の神々と人類との決別というテーマでした。
近未来の地球と月が舞台です。
現在、絶版になっています。
たぶん、再販になることはないでしょう。
著者としては少し寂しいですが――。
いつの日か、もう一度書き直すこともあるかもしれません。
次回からは
単行本未収録の小説やエッセイ について書いてみようかと思っています。
百物語の第8夜の執筆にはいりますし、
書き下ろし長編の著者校正の仕事も入ってくると思うので、ちょっと更新時期が遅くなるかなと思います。