平谷美樹の歌詠川通信

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「時間よ止まれ」 角川春樹事務所 ハルキ文庫刊

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ショートショートは、中学生の頃、星新一氏の作品をよく読んでいましたが、
書いたことはありませんでした。
ショートショートって、長い小説を書くのと別な回路が脳内にないと書けない――。
そう思っていました。
ぼくの脳内には、小気味よいオチをつけるその回路がありません。
そこで、ぼくなりの「短い、短い小説」と位置づけて執筆しました。

第一回小松左京賞の授賞式の後、二次会の会場に向かう途中、
担当編集者さんから、
「これからショートショートをウェブで連載してもらいます。
更新は一週間に一度。トータルで50本」
と言い渡されました。
新人ですから何事にも挑戦だと思い、
「判りました」と、答えました。
二次会に向かう道すがら小松左京マガジンへの寄稿も依頼されました。
『五芒の雪』です。
構想は、歩いているウチに出来上がりました。

授賞式の翌日、家へ帰る新幹線の中でショートショートのネタを考え続けました。
以来、およそ1年。
数本まとめて担当者に送り続けました。
一度だけ更新が遅れたことがありましたが、システム上のトラブルです。
なんとか〆切を守り通すことができました。

「時間よ止まれ」の中には、ぼくが「名前シリーズ」と題した一連の作品群があります。
長編「約束の地」の原型となった、超能力者たちのお話です。
設定が少々ことなっていますが、どこが違っているのかなども楽しみながら読んでいただければ嬉しいです。

ウェブ連載を終えて、なんとか「ショートショートのようなもの」を書く自信もつき、以後、時々書いています。
光文社から出ている異形コレクションの中の「ひとにぎりの異形」にもショートショートを書きましたし、
岩手発の不思議情報誌「ふうらい」には、三題噺形式で書いています。

次回は、

現在河北新報に連載中の小説

「沙棗(さそう)――義経になった男」


についてちょっと触れてみたいと思います。
by y-hiraya | 2009-02-08 17:54 | 作品の召し上がり方 | Comments(0)