平谷美樹の歌詠川通信

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「沙棗(さそう)――義経になった男」 河北新報朝刊に連載中

「沙棗(さそう)――義経になった男」は、義経の影武者を主人公とした小説です。
義経の影武者というと杉目小太郎が有名です。
「沙棗」にも杉目小太郎は出てきますが、主人公ではありません。
「義経記」がご自宅にある方は、ラスト近く、
藤原泰衡が義経を攻めるくだりを開いてみてください。
〈しゃそう〉という名の雑色が出てきます。
秀衡が
「いざという時に役に立つ男だから」
と言って義経に与えた召使いが〈しゃそう〉です。
召使いであるにもかかわらず、義経は〈しゃそう〉をまるで侍のように扱います。
そして、義経自刃の時、十郎兼房とともにその時間を稼ぐために大活躍します。
「義経記」は義経の死から200年以上後に書かれたものですから、
脚色や曲解、創作された部分がたくさんあります。
〈しゃそう〉も創作された人物であるかもしれません。
しかし、ぼくはその名の不思議な響きに惹かれました。
『この男は何者だろう?』
〈しゃそう〉に関する妄想が次々にわき上がり、「沙棗」の構想になって行きました。
数年前、沙棗の生涯を描く壮大な構想の一部を「北へ」と題した短編として、
岩手日報社主催の「北の文学」に寄稿しました。
その後、昨年の春に河北新報社から連載のお話があり、執筆を開始したのが、
「沙棗――義経になった男」です。
「北へ」の執筆以後、平泉のことや蝦夷のことなど色々と調べました。
今まで描かれなかった奥州平泉や蝦夷と中央の関わりなどを盛り込みながら、
「沙棗――義経になった男」は描かれます。
イラストも自作です。
毎朝、紙面に載った自分のイラストを見るたびに冷や汗をかきます。
一昨年までは美術教師でしたが、やはりプロの絵ではありませんから、
色々とアラが見えてしまうのです。

今年は、「沙棗」に関わる企画やイベントなどが行われる予定です。
近々、その1つについては告知します。

連載はまだしばらく続きます。
妄想と、歴史的、考古学的事実を取り込みながら、
楽しく執筆を続けていきたいと思います。

次はデビュー作

「エンデュミオン エンデュミオン」 
角川春樹事務所ハルキノベルズ刊


について語ります。
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by y-hiraya | 2009-02-23 18:00 | 作品の召し上がり方 | Comments(0)